cafeアマアイの店主であり、ストリートカルチャーに浸りきった青春時代を過ごした、Akato主催の鳥羽山恭兵さん。年季が入ったiTunesは、長年ディグり続けて蓄積された音楽たちであふれ、現在cafeアマアイの店内BGMとして活かされている。今回は、多過ぎて選びきれないという鳥羽山さんに、あえていま聞きたい曲を5曲に絞ってあげてもらった。cafeアマアイの片隅で、悩み抜きながら鳥羽山さんが選んだ曲を見ていこう。
目次
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NO.1 月になんて/Oledickfoggy
NO.2 pelicule/不可思議/wonderboy
NO.3 しっ/かみぬまゆうたろう、藤本浩史
NO.4 若者のすべて/フジファブリック
NO.5 beutifulさ/BiSH
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|NO.1 月になんて/Oledicfoggy|
もっと激しい曲を含めていい曲はいっぱいあるが「いま思い浮かぶのはこれ」と鳥羽山さんが最初にあげたのは、異色のロックバンドOledicfoggyのナンバー「月になんて」。カントリー風のイントロと、いまにも踊りだしたくなるアップテンポな曲調、そして「躊躇いと勇気は似てるから」から始まる力強い歌詞が印象的だ。本曲はライブで最高潮の盛り上がりを叩き出していた結成初期の名曲で、2013年に新音源として再発売された。映画「クローズEXPLODE」の中にバンドメンバーが登場して披露されたことでも知られる。
|NO.2 Pellicule /不可思議ワンダーボーイ|
次に鳥羽山さんがあげたのは「Pellicule/不可思議/wonderboy」だ。淡々としたメロディーに歌詞をのせて歌う「ポエトリー・リーディング」というジャンルに属する楽曲。J-POPのような曲の盛り上がりはなく、また韻を基調とするラップとも異なり、詩をシンプルな音楽にのせて朗読のように歌い上げる。
「久しぶり、どうしたんだよ髭なんか生やして」。率直な言葉で綴られた歌詞に、まるで自分が語りかけられているかのような気持ちになるナンバーだ。少し照れくさそうに「僕エモいの好きなんですよ」と鳥羽山さん。若くして亡くなった不可思議/wonderboyの代名詞ともいえる本曲は全国各地で聞き継がれ、YouTubeのMVの再生回数は2023年1月現在2598万回に達している。
|NO.3 しっ/かみぬまゆうたろう、藤本浩史|
「単純に曲がいい。いろんな人に聞いてもらえるいい曲をつくるし、ポップ。なんで売れんのかなと思ってる」と鳥羽山さん。かみぬまゆうたろうは、東京出身ながらcafeアマアイで繰り返しライブを行ってきた馴染みのあるシンガーソングライターだ。
そんな彼がthe coopeezの藤本浩史とコラボして出来上がったのが本曲。軽快なギター、かみぬまゆうたろうの穏やかな歌声、藤本のラップのバランスが絶妙な聞き心地を生み出している。同コラボレーションで作られた「Shit!」ともぜひ聞き比べてほしい。
|NO.4 若者のすべて/フジファブリック|
40代になっていま聞きたい曲として鳥羽山さんがあげたのは、言わずと知れた往年の名曲「若者のすべて/フジファブリック」。花火終わりの気持ちをのせた歌詞や郷愁を誘うメロディが、聞く人の心に感傷を呼び起こすナンバーだ。2007年に発表されて以来、様々なドラマやCM、舞台などで使用され、長くファンに愛されてきた。歳を重ねたいま感じるこの感傷的な気持ちは、当時とどれほどつながり、隔たったものなのか。
|NO.5 beautifulさ/BiSH|
最後に鳥羽山さんがあげたのは「楽器を持たないパンクバンド」をキャッチコピーに2015年から活動を始めたアイドルグループ/ガールズバンドBiSHの「beautifulさ」。激しい歌詞の中に込められた明日への希望が、力強く胸に迫る。「楽曲がすごくいい」と鳥羽山さん。パンクなメロディーも、耳馴染みがよい。2023年中に解散を発表しているBiSH。生でライブを楽しみたい人は、いまが駆け込み時だ。
(文:池山 構成:山口 編集:辻本)